Apex One (Apex One SaaS 含む) には、ウイルスパターンファイルをアップデートする際のネットワークトラフィックを軽減するために、"差分アップデート" という仕組みがあります。
差分アップデートとは、フルサイズのパターンファイルではなく、過去にダウンロードしたパターンファイルとの差分部分のみをダウンロードする仕組みです。
ウイルスパターンファイル および スマートスキャンエージェントパターン について
Apex One 管理サーバには、最新のパターンファイルから 14世代前までのパターンファイルが保存されています。差分パターンファイルとフルパターンファイルをダウンロードする場合について比較すると以下のようにサイズが小さくなることになり、ネットワーク帯域の負荷を減らすことができます。
■ 従来型スキャン (ウイルスパターンファイル)
- フルパターン:約 48MB (圧縮ファイル)
<インストールフォルダ>\PCCSRV\Download\Pattern\lvsapiyyy - 差分パターン:約 60KB
<インストールフォルダ>\PCCSRV\Download\Pattern\l_xxx.yyy
■ スマートスキャン (スマートスキャンエージェントパターン)
- フルパターン: 約 22MB (圧縮ファイル)
<インストールフォルダ>\PCCSRV\Download\Pattern\icrc\iothyyyyy00.zip - 差分パターン: 約 3KB
<インストールフォルダ>\PCCSRV\Download\Pattern\icrc\ioth_xxxxx00.yyyyy00
※ ファイルサイズは2023年8月時点の参考値であり、サイズは増減します。
※ 実際にはパターンファイルは フルサイズ/差分ともにzip形式で圧縮されたものがダウンロードされます。
※ 初期設定の<インストールフォルダ> は次のとおりです。
- 64bit OS
C:\Program Files (x86) \Trend Micro\Apex One - 32bit OS
C:\Program Files\Trend Micro\Apex One
※ xxxxx00.yyyyy00 および xxx.yyy は、それぞれ次のようなパターンファイル番号を示しており、例えばパターンファイル番号「18.577.xx」と「18.579.xx」の差分を含むファイルの場合、それぞれ次のようになります。
- スマートスキャンエージェントパターン: ioth_1857700.1857900
- ウイルスパターンファイル: l_577.579
セキュリティエージェントの差分アップデートの具体例
最新のウイルスパターンファイル番号が「579」(lpt$vpn.579) の場合、14世代前のパターンファイルは「551」となります。このため、管理サーバ上には以下の 14世代分の差分ファイルが保存されています。
最新パターンファイル | 579 | |
差分パターンファイル | 1世代 | l_577.579 |
2世代 | l_575.579 | |
3世代 | l_573.579 | |
: | ||
14世代 | l_551.579 |
・セキュリティエージェントが保持している最新のウイルスパターンファイル番号が「551」の場合
差分ファイル「l_551.579」を管理サーバからダウンロードし、この差分ファイルと自身が持っている「551」とを結合して最新のパターンファイル「579」(lpt$vpn.579) を作成します。
・クライアントで保持している最新のウイルスパターンファイル番号が「549」の場合
パターンファイル「549」は 15世代前となり、差分アップデートの対象とはならないため管理サーバからフルサイズのパターンファイルをダウンロードします。
※ Apex One サーバ自身も同様の仕組みを実装しており、トレンドマイクロのアップデートサーバや Trend Micro Apex Central サーバから差分パターンファイルによるアップデートが可能です。
差分アップデートの対象コンポーネント
ウイルスパターンファイル,スマートスキャンエージェントパターン の他、差分アップデートが行われるコンポーネントは次の通りです。
- ウイルスパターンファイル
- スマートスキャンエージェントパターン
- スパイウエアパターンファイル
- スパイウエア監視パターンファイル
- ダメージクリーンナップテンプレート
- IntelliTrap除外パターンファイル