はじめに
本製品Q&Aでは、ビジネスセキュリティ 10.0を例に説明しています。
他のバージョンでも操作方法は同じですが、各バージョンの管理者ガイドも参照してください。
ビジネスセキュリティはバックアップしたデータを復元し、運用する事を想定した製品ではありません。そのため、バックアップしたデータを復元して運用することよりも、新規で設定し直して利用することを強く推奨しています。
本製品Q&Aではどうしても設定を元に戻したい、というお客さま向けの操作方法を紹介しています。
バックアップしたデータの復元に関する操作や運用は、お客さまのご責任の下で行ってください。万が一、予期せぬ設定となった場合は、再インストールおよび再設定を行なってください。
バックアップした情報を復元する際の注意事項
次の事項に注意してデータの復元を行なってください。
- 何らかの原因で設定ファイルやデータベースファイルが破損している場合は、データを復旧できません。その際、新規で設定し直す必要があります。
- [Trend Micro Security Server Master Service]が起動している間は、サーバのデータベース用ファイルに書き込みが発生している場合があります。この時にデータベースファイルにアクセスすると、データベースファイルが破損し、[Trend Micro Security Server Master Service]が起動不能になる事や、エラーを起こすことがあります。
- ビジネスセキュリティサーバを再インストールする際、サーバとクライアントのリスニングポート番号を元のポート番号と同じにする必要があります。Step 1 でどのポート番号を使用しているか確認してください。
- ビジネスセキュリティサーバを再インストールした後、バックアップしたデータを復元するまではネットワークケーブルを抜き、配下のクライアントからアクセスさせないようにしておく事をお勧めします。
再インストール後のビジネスセキュリティサーバは初期設定のため、このタイミングで配下のクライアントからのアクセスがあった場合は、該当クライアントの設定は一時的に初期設定へ上書きされるためです。
操作手順
おおまかな流れ
- Step 1サーバとクライアントのリスニングポート番号の確認
- Step 2データのバックアップ
- Step 3ビジネスセキュリティサーバのアンインストール
- Step 4ビジネスセキュリティサーバの再インストール
- Step 5バックアップしたデータの復元
Step 1 サーバとクライアントのリスニングポート番号の確認
ポート番号は、管理コンソールもしくは「ofcscan.ini」ファイルのどちらからも確認できます。
管理コンソールから確認する場合
- 管理コンソールを開き、ログインします。
- 右上のサーバ名をクリックし、『ポート:』に記載のある番号を確認します。
例:バージョン10.0の場合
下記ではサーバのリスニングポート番号が「8059」
エージェントのリスニングポート番号が「25151」です。
ofcscan.iniファイルから確認する場合
- ビジネスセキュリティサーバ上にある次のファイルを開きます。
<インストール先フォルダ>\Security Server\PCCSRV\ofcscan.ini
※<インストール先フォルダ>は、
初期設定の場合"C:\Program Files\Trend Micro"です。
例)C:\Program Files\Trend Micro\Security Server\PCCSRV\ofcscan.ini
- [INI_SERVER_SECTION]の項目内の「Master_DomainPort」に記載されているポート番号を確認します。このポート番号がサーバのリスニングポート番号です。
例)
[INI_SERVER_SECTION]
Master_DomainPort=8059
- [INI_CLIENT_SECTION]の項目内の「Client_LocalServer_Port」に記載されているポート番号を確認します。このポート番号がクライアントのリスニングポート番号です。
例)
[INI_CLIENT_SECTION]
Client_LocalServer_Port=25151
Step 2 データのバックアップ
- [Trend Micro Security Server Master Service]を停止します。
- 必要に応じて、次のファイル・フォルダのバックアップを取得します。
<インストール先フォルダ>¥Security Server¥PCCSRVフォルダから、手動でデスクトップにコピーしてください。
ファイル/
フォルダ名用途 パス ofcscan.ini ビジネスセキュリティサーバの設定情報ファイル ..¥PCCSRV ous.ini (各検索エンジンなどの)アップデート元情報ファイル ..¥PCCSRV OfcPfw.dat パーソナルファイアウォールに関する設定情報ファイル ..¥PCCSRV¥Pccnt¥Common OfcPfw.dat ファイアウォールに関する設定情報ファイル ..¥PCCSRV¥Download Private ファイアウォールやサーバの設定フォルダ ..¥PCCSRV HTTPDB クライアント情報データベース格納フォルダ ..¥PCCSRV TmOPP 大規模感染予防の設定情報格納フォルダ ..¥PCCSRV¥Web
次のフォルダは不要であればバックアップを取得する必要はありません。
フォルダ名 用途 パス Log システムイベントログと接続状況の確認ログが含まれたフォルダ ..¥PCCSRV Virus ウイルス感染ファイルの隔離に使用するフォルダ ..¥PCCSRV
- 1.で停止した[Trend Micro Security Server Master Service]を開始します。
Step 3 ビジネスセキュリティサーバのアンインストール
コントロールパネルからビジネスセキュリティサーバを削除します。
Step 4 ビジネスセキュリティサーバの再インストール
ビジネスセキュリティサーバの再インストール手順は次の製品Q&Aを参照してください。
- 「サーバのリスニングポート番号」は
Step1で確認したポート番号を入力します
- 「コンピュータの識別方法」では、
ドメイン名、またはIPアドレスの指定を元のサーバと同じにします
- 「クライアントのリスニングポート番号」をStep1で確認したポート番号を入力します
「コンピュータの識別方法」と「クライアントのリスニングポート番号」は
ofcscan.iniを復元する場合は、同じにする必要はありません。
なお、SSL利用の有無は再インストール時の設定が反映されます。
Step 5 バックアップしたデータの復元
ビジネスセキュリティサーバサーバのインストール後に、バックアップしたデータを復元します。
- [Trend Micro Security Server Master Service]を停止します。
- Step 2でバックアップしたファイルとフォルダを、元のパスに上書き保存します。
- [Trend Micro Security Server Master Service]を開始します。
※ファイアウォール設定を復元する場合は、以下の作業も行います。
- 管理コンソールにログインします。
- [デバイス]タブを開き、エージェントツリーからファイアウォールの設定を復元したいグループを選択し、「ポリシーの設定」をクリックします。
-
[ファイアウォール]をクリックし、「ファイアウォールを有効にする」にチェックを入れ、「保存」ボタンをクリックします。
※1通常ビジネスセキュリティサーバはロケーション認識内に存在している必要があるため、「オフィス内」に対して設定をおこなっています。
※2「簡単モード」「詳細モード」の選択は、お客様の設定状況により変わります。以前の設定と同じように設定されているか確認してください。
以上で操作は終了です。