InterScan MSS 7.1、9.1 ならびにIMSVA 9.1 では、ウイルス検索エンジンをはじめとする検索コンポーネントは Central Controller によって集中管理されており、ウイルス検索エンジンがダウンロードされると、バージョン情報はデータベース(PostgreSQL)に送信されます。このような内部処理が実行されることによって、Web管理コンソール上に表示されるバージョン情報も自動的に更新されます。
Web管理コンソール上の検索エンジンのバージョン情報を更新させるためには、データベース内にある該当のレコードを手動で変更する必要があります。また、ログファイルに出力される検索エンジンのバージョン情報を更新させるためには、設定ファイル "scanner.info" を編集します。手順につきましては「■ ウイルス検索エンジンのバージョン情報の更新手順」をご覧ください。
ただし、データベース編集時にバージョン情報の数値を誤って登録すると、Web管理コンソール上のバージョン情報も誤って表示され、その後のアップデートができなくなることがあります。また、データベースの編集処理は、製品だけでなく、システム全体の動作に影響を及ぼす可能性があります。弊社では、データベースの手動編集に伴ういかなる問題に対しても、補償いたしかねることをご了承ください。作業は、お客さまの責任のもと、実施していただきますようお願いいたします。
なお、検索サービスが読み込んでいるウイルス検索エンジンのバージョンは、ログファイルから確認することができます。ログファイルに出力されるメッセージにつきましては、「■ ログファイルによるウイルス検索エンジンのバージョン確認方法」をご覧ください。
■ ウイルス検索エンジンの手動適用手順
1. Web管理コンソールへアクセスし、[管理] - [アップデート] で予約アップデートを無効にして、「保存」をクリックします。
2. "<インストールディレクトリ>/config/imss.ini" を開き、"enable_au_monitor_thd" パラメータを「no」に設定します。
enable_au_monitor_thd=no |
* インストールディレクトリの初期設定は、"/opt/trend/imss" です。
* この設定変更により、データベースから検索デーモンへ検索コンポーネントを送信しなくなります。
3. 手順2.の設定変更を反映させるため、以下のスクリプトを実行して、Manager("imssmgr")を再起動します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99MANAGER restart |
4.以下のスクリプトを実行して、検索デーモン("imssd")を停止します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99IMSS stop |
5. 以下のディレクトリに、更新するウイルス検索エンジンを格納します。
<インストールディレクトリ>/lib/ |
*ファイルの置き換えを行う前に、事前に既存の検索エンジンをバックアップすることをお勧めします。
6. ファイルの権限やオーナー情報を既存のウイルス検索エンジンと合わせます。
-rwxr-x--- 1 imss imss libvsapi.so |
7.以下のスクリプトを実行して、検索デーモン("imssd")を起動します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99IMSS start |
* 予約アップデートを再開する場合は、以下の手順を実施してください。
1. "<インストールディレクトリ>/config/imss.ini" を開き、"enable_au_monitor_thd" パラメータを「yes」に設定します。
enable_au_monitor_thd=yes |
2. 手順1.の設定変更を反映させるため、以下のスクリプトを実行して、Manager("imssmgr")を再起動します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99MANAGER restart |
3. Web管理コンソールへアクセスし、[管理] - [アップデート] で予約アップデートを有効にして、「保存」をクリックします。
■ ウイルス検索エンジンのバージョン情報の更新手順
以下AおよびBの手順で指定していただくウイルス検索エンジンのバージョン(value='Y.YYY.YYYY')については、大変お手数ですが、当社サポート窓口へお問い合わせいただき、ご確認いただけますようお願い申し上げます。理由としては、IMSx内部DBや設定ファイル上に記録されるデータとなるため、公開はしていない情報である為です。
A.データベース上のバージョン情報の更新手順
* この手順を実施することで、データベース上のレコードが更新され、Web管理コンソールにおけるウイルス検索エンジンのバージョン情報が更新されます。
1. psql コマンドを実行します。
# <インストールディレクトリ>/PostgreSQL/bin/psql imss sa |
2. 現在のウイルス検索エンジンのバージョン情報を確認します。
imss=# select * from tb_global_setting where name = 'VersionVirusEngine'; section | name | value | inifile | notes ---------+---------------------+----------+----------+------- Update | VersionVirusEngine | X.XXX.XXXX | imss.ini | (1 row) |
3. 更新したウイルス検索エンジンのバージョンを指定します。
imss# update tb_global_setting set value='Y.YYY.YYYY' where name='VersionVirusEngine'; |
4. ウイルス検索エンジンのバージョン情報が更新されたことを確認します。
imss=# select * from tb_global_setting where name = 'VersionVirusEngine'; section | name | value | inifile | notes ---------+---------------------+----------+----------+------- Update | VersionVirusEngine | Y.YYY.YYYY | imss.ini | |
5. 上記4.の設定変更を反映させるため、以下のスクリプトを実行して、Manager を再起動します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99MANAGER restart |
6. Web管理コンソールにログインして、[概要] の [システム] タブにおける「ウイルス検索エンジン」のバージョンが更新されていることを確認します。
B.ログファイル上のバージョン情報の更新手順
*この手順を実施することで、各検索サービスが同サーバ上に保持するバージョン情報が更新され、ログファイルにおけるウイルス検索エンジンのバージョン情報が更新されます。
1. "<インストールディレクトリ>/config/scanner.info"を開き、"virus_engine_version" パラメータを更新します。
virus_engine_version=Y.YYY.YYYY |
2. 更新したウイルス検索エンジンのバージョン情報を読み込むため、以下のスクリプトを実行して、検索デーモン("imssd")を再起動します。
# <インストールディレクトリ>/script/S99IMSS restart |
* 注意事項
上記のように、手動でウイルス検索エンジンをアップデートした場合、Web管理コンソールからウイルス検索エンジンをロールバックすることはできません。
■ ログファイルによるウイルス検索エンジンのバージョン確認方法
ログファイルの詳細レベルを「詳細」、「診断」、「デバッグ」のいずれかのレベルに指定していると、検索サービスが開始する際に、以下のようなメッセージが出力されます。
2007/06/22 10:47:45 GMT+09:00 [6487:1:] load pattern info success:IMSS MailTrap Feedback: vsapi: 8.310.1002, lpt$vpn: 4.561.00,tmaptn: 0.503.00, tmblack: 0.106.00, tmwhite: 0.209.00 |
上記の例の場合、検索サービスが読み込んでいるウイルス検索エンジンのバージョンは、「8.310.1002」であることを確認することができます。
なお、ログファイルの詳細レベルは、Web管理コンソールの [ログ] – [設定] の「アプリケーションログの詳細レベル」にて設定することができます。