InterScan Messaging Security Suite (InterScan MSS) や InterScan Messaging Security Virtual Appliance (IMSVA) では、検索エンジンにおける検索制限とは別にメッセージヘッダサイズが異常に大きいメッセージなど、メッセージ構造に対しても制限しています。
不正な形式のメッセージと判定された場合、「その他の検索の除外」または「正しくない形式のメッセージ」として処理され、初期設定ではメッセージは隔離されます。
InterScan MSS 7.1/7.5/9.1, IMSVA 9.1
[ポリシー] > [検索の除外] > [正しくない形式のメッセージ] として処理されます。
不正な形式と判定されるメッセージについて
InterScan MSS と IMSVA では、主なメッセージに対する制限として以下が挙げられます。
- メッセージのMIMEパート数がしきい値を超える場合(LimitEntities)
-
メッセージヘッダのパラメータ数がしきい値を超える場合 (LimitHeaderParams)
-
メッセージヘッダのヘッダフィールド数がしきい値を超える場合 (LimitHeaders)
-
メッセージヘッダのサイズがしきい値を超える場合 (LimitBytesPerEntityHeader)
※ 上記以外でも、MIME 構造が正しくないメッセージについて、不正な形式のメッセージと判定される場合があります.
メッセージがこの制限を超え、不正な形式のメッセージと判定された場合、ログディレクトリ (log)にある 検索サービスのログ (log.imss.yyyymmdd.nnnn) には以下のようなメッセージが出力されます。
2014/07/10 14:44:25 GMT+09:00 [16721:4124210896] Encounter malformed message, fall into exception handling. (9) 'TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_BYTES_IN_ENTITYHEADER' a |
上記の場合、「TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_BYTES_IN_ENTITYHEADER」のエラーコードから、メッセージがメッセージヘッダのサイズ制限に該当し、不正な形式のメッセージとして判定されたことがわかります。
メッセージの MIME パート数がしきい値を超える場合 (LimitEntities)
初期設定値 | 512 |
エラーコード |
TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_ENTITIES_IN_MESSAGE |
説明 |
パラメータ「LimitEntities」は MIME のパート数 (バウンダリ数) を制限します。 |
メッセージヘッダのパラメータ数がしきい値を超える場合 (LimitHeaderParams)
初期設定値 | 128 |
エラーコード |
TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_HEADERPARAM_IN_FIELD
|
説明 |
パラメータ「LimitHeaderParams」はひとつのヘッダに指定されたパラメータ数を
制限します。 |
メッセージヘッダのヘッダフィールド数がしきい値を超える場合 (LimitHeaders)
初期設定値 | 512 |
エラーコード |
TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_HEADERFIELD_IN_ENTITY
|
説明 |
パラメータ「LimitHeaders」はメッセージヘッダにおけるヘッダフィールドの
総数を制限します。 |
メッセージヘッダのサイズがしきい値を超える場合 (LimitBytesPerEntityHeader)
初期設定値 |
65535 (bytes)
|
エラーコード |
TMMSG_ERR_C_INT_MUCH_BYTES_IN_ENTITYHEADER
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説明 |
パラメータ「LimitBytesPerEntityHeader」は、メッセージヘッダの合計サイズ
を制限します。 例えば宛先が多く、To や Cc のヘッダに大量のメールアドレスが指定されている 場合に制限に該当します。 |
回避策について
※ インストールディレクトリ $IMSS_HOME は初期設定では /opt/trend/imss です
※ IMSVA ではインストールディレクトリは常に /opt/trend/imss です
1. 設定ファイル $IMSS_HOME/config/imss.ini を編集し、[MessageModule] セクションにパラメータを追加します。
例えば、メッセージヘッダのサイズ制限に抵触したのであれば、「LimitBytesPerEntityHeader」のパラメータを追加し、しきい値を 131,072 bytes (128 KB) に引き上げます。
[MessageModule]
LimitBytesPerEntityHeader=131072
※ 「LimitEntities」「LimitHeaderParams」「LimitHeaders」のパラメータは imss.ini にコメントアウトされて記述されていますので、コメントアウトを外し、任意の値を設定してください。
2. 設定変更後、検索サービスを再起動します。
# $IMSS_HOME/script/S99IMSS restart
※ インストールフォルダ %IMSS_HOME% は初期設定では C:\Program Files\Trend Micro\IMSS です
1. 設定ファイル %IMSS_HOME%\config\imss.ini を編集し、[MessageModule] セクションにパラメータを追加します。同様にもしメッセージヘッダのサイズ制限に抵触したのであれば、「LimitBytesPerEntityHeader」のパラメータを追加し、しきい値を 131,072 bytes (128 KB) に引き上げます。
[MessageModule]
LimitBytesPerEntityHeader=131072
※ 「LimitEntities」「LimitHeaderParams」「LimitHeaders」のパラメータは imss.ini にすでに記述されていますので、任意の値に変更してください。
2. 検索サービス「Trend Micro IMSS Scan Service」を再起動します。