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Trend Micro NAS Security (以下、TMNAS)で問題が発生した場合、以下のガイドラインに沿って
情報をエンドユーザ様から取得いただき、トレンドマイクロサポートセンターにご連絡ください。


1. 発生した問題に対する基本的な情報
・ 障害の概要と発生日時
・ ファームウェアバージョン
・ 障害発生時点のデバッグログ
・ 該当すると思われるSPLXコンソールのスクリーンショット
・ 切り分けの概要
  ・ 問題は今も続いていますか。
  ・ 問題は簡単に再現できますか。
  ・ 問題が再現できる場合は、その手順をお伝えください。
  ・ 問題は全てのNASで発生していますか。(NASが複数ある場合)
  ・ この問題が起こる前、NASは正常に動いていましたか。
  ・ 問題が起こる前、システムまたはネットワークに変更を加えましたか。

2. NASシステムの基本的な情報

   以下の手順で、現象発生時のTMNASのデバッグ情報を取得してください。

   1. TMNASの管理コンソールを開き、ログインします。
   2. [管理]→[デバッグの設定]を開きます。
   3. [デバッグモードを有効にする]と[カーネルデバッグモードを有効にする]の
     2つのチェックボックスをチェックします。
   4. [保存]ボタンを押します。
   5. 現象を再現させます。
   6. 管理コンソールに戻り、[デバッグモードを有効にする]と
     [カーネルデバッグモードを有効にする]のチェックを外します。
   7. [保存]ボタンを押します。
     ※処理が完了するまで時間がかかることがあります。
   8. [エクスポート]ボタンを押します。
   9. SMBやFTPなどの任意の手段で、所定のパスからデバッグ情報ファイルを回収します。
     通常このファイルは以下のパスに保存されています。
    
     /mnt/disk1/share/TMNAS.Export/yyyymmdd-hhmmss.tgz

   さらに以下の情報を取得してください。

   1. /etc/hosts
   2. /etc/cron/crontabs/splx
   3. /var/log/cron
   4. "lsmod"コマンドの結果
   5. NASのファームウェアバージョン

3. パターンファイルアップデート関連のトラブル

   パターンファイルのアップデートに関連する問題が発生している場合は
   前項「NASシステムの基本的な情報」に加えて以下の情報をご提供ください。

   1. <tmsplx.xml:/Configuration/VarPath>/AU_Data/AU_Log/TmuDump.txt
      ※<>内のパスは、"/opt/TrendMicroSProtectLinux/tmsplx.xml"内の"/Configuration/VarPath"に記載されています。
   2. 簡単なネットワーク構成図
      ※TMNASと、インターネットとの間に存在するネットワーク機器(Firewall、Proxyなど)の
       IPアドレスが分かるものをご提供ください。

   事象が再現可能である場合は、以下の設定を行うことでさらに詳細な
   アップデートのログを取得することができます。

   1. "/opt/TrendMicroSProtectLinux/aucfg.ini"をviなどのエディタで開きます。
   2. [debug]セクション内の"level"値を"-1"に設定します。

     ;the higher level, the less info
     ;default is 5                   
     level=-1

   3. 変更内容を保存してエディタを閉じます。
   4. 事象を再現させ、生成された"TmuDump.txt"を回収します。
   5. 再度aucfg.iniを編集し、デバッグレベルを元(5)に戻します。

4. リアルタイム検索

   リアルタイム検索に関連した問題を調査する際には、以下の情報を取得してください。

   1. クライアントPCのOSの種別
     ※クライアントPCとは、問題発生時にNASに対しファイルの読み書きを行ったPCのことです。
      (例:Windows XP SP3、Ubuntu 10.4、MacOS 10.1 など)
   2. ファイル共有に使用したプロトコル種別 (例:SMP、NFS、FTPなど)
   3. サンプルファイル (事象を発生させたファイルそのもの)
   4. ファイルとディレクトリのパーミッション (ls -laRの結果)
   5. 検索エンジンのテンポラリディレクトリ (tmsplx.xml:Configuration/TempPath)
   6. 該当トラフィックのパケットキャプチャ (可能であれば)

5. 手動検索/予約検索

   手動検索または予約検索実行時に発生する問題を調査する際には、以下の情報を取得してください。

   1. サンプルファイル (事象を発生させたファイルそのもの)
   2. ファイルとディレクトリのパーミッション (ls -laRの結果)
   3. 検索エンジンのテンポラリディレクトリ (tmsplx.xml:Configuration/TempPath)
   4. 現象再現時のstraceコマンドの結果 (strace -p <PID of vsapiapp>)
     ※vsapiappのPIDは、"ps -w|grep vsapiapp"などで調べることができます。

6. 製品ライセンスアクティベーション

   ライセンスの認証に関する問題を調査する際には、以下の操作を試します。

   1. 最初に、ブラウザのキャッシュとクッキーを全て削除してから操作を再実行し、
     問題が解消するかどうかを確認します。
   2. 管理コンソールの[プロキシの設定]が適切に設定されていることを確認します。
   3. シリアル番号の入力間違いがないことを確認します。

   上記2項目に問題がなく事象が回避できない場合は、以下の情報を取得します。

   1. 管理コンソールの[製品ライセンス]ページのスクリーンショットまたは表示されたメッセージ
   2. [概要]画面のスクリーンショットまたは表示されたメッセージ
   3. シリアル番号
   4. /opt/TrendMicro/SProtectLinux/SPLX.license/Corridor.dat
   5. /opt/TrendMicro/SProtectLinux/SPLX.license/Corridor.bak
   6. chk.trendmicro.comに対するpingとnslookupの結果
     (ping chk.trendmicro.com、nslookup chk.trendmicro.com)

7. ユーザインターフェース(管理コンソール)

   管理コンソールに関連する問題が発生した場合は、一旦ブラウザのキャッシュとクッキーを
   全て削除して、現象が回避できるかどうかを確認します。解消しない場合は以下の情報を
   回収してください。

   1. /opt/TrendMicro/SProtectLinux/Locale
   2. 事象が発生している管理コンソールのスクリーンショット
   3. 管理コンソールを表示しているブラウザの種別・バージョンと、OSの種別

8. デバッグモード

   TMNASでは管理コンソールからデバッグモードを有効/無効に設定できますが、
   この機能自体が意図した通りに働いていないと思われる場合には
   以下の情報を取得してください。

   1. SPLX.Exportディレクトリ内に存在する全てのファイル
     ※SPLX.Exportディレクトリのフルパスはtmsplx.xml内の"Configuration/DebugPath"に記載されています。
      初期設定では"/mnt/disk1/share/TMNAS.Export"です。
     ※ファイルが大量に存在する場合は、作成日時の新しいファイルから数個を選択してください。
   2. "/opt/TrendMicro/SProtectLinux/SPLX.util/DiagnosticTool"を手動で実行した際の結果
   3. "/etc/syslog.conf"