1. Web レピュテーションサービス向けの HTTP プロキシ先の設定
IWSS / IWSVA では、アクセス先 Web サイトを評価する機能として Web レピュテーションサービス(以下、WRS)を実装しております。
ICAP モードでも当該機能を利用可能ですが、WRS クエリ (HTTP) の HTTP プロキシ先として「IWSS / IWSVA を ICAP サーバとして使用している HTTP プロキシ (ICAP クライアント)」を使用すると、Web アクセス遅延の原因となる場合があります。詳細と対策は以下の通りです。
【詳細】
ICAP モードの場合、IWSS / IWSVA は ICAP サーバとして動作します。
こちらの場合、IWSS / IWSVA は、ICAP リクエストを受ける毎に WRS チェックを行います。
WRS チェックでは、トレンドマイクロ提供の WRS サーバへ HTTP で通信し、アクセス先 Web サイトの情報を取得します。
管理画面の [アップデート] > [接続設定] で、使用する HTTP プロキシを指定します。
ただし、当該 HTTP プロキシとして「IWSS / IWSVA を ICAPサーバとして使用している HTTP プロキシ (ICAP クライアント) 」を指定すると以下の事象が起こります。
IWSS / IWSVAは、ICAP リクエストを受ける毎に、「WRS サーバアクセス (HTTP) に対する ICAP リクエスト」も当該 HTTP プロキシから受けて処理することになります。
IWSS / IWSVA は、内部のホワイトリストで WRS サーバアクセスに対する WRS チェックはスキップします。
しかしながら、IWSS / IWSVA が受ける ICAP リクエスト数が2倍に増加することになります。
想定より多い ICAP リクエストを処理することで、Web アクセス遅延を引き起こす可能性があります。
【対策】
以下のいずれかのご検討をお願いします。
1.「IWSS / IWSVA を ICAPサーバとして使用している HTTP プロキシ (ICAP クライアント) 」にて、WRS サーバへのアクセスを ICAP 処理から除外する。
予め WRS クエリ (HTTP) を ICAP 処理から除外するよう設定します。
WRS クエリでは、以下の WRS サーバへ HTTP でアクセスします。
IWSVA 6.5: iwsva65-jp.url.trendmicro.com
2. WRS / アクティブアップデートは、HTTP プロキシを介さずに行うようにする。
管理画面の [アップデート] > [接続設定] にて、HTTP プロキシ設定を無効にします。
なお、本設定は検索エンジンやパターンファイルのアップデートでも使用されているため、当該アップデートも HTTP プロキシを介さず行われるようになります。
2. 機能「サイズの大きいファイルの処理」の使用
IWSS / IWSVA は、ICAP クライアントから送られるリクエストヘッダに「X-TE: Trailers」が含まれているかを確認します。「X-TE: Trailers」が含まれていない場合は、ICAP クライアントが trickle (データ送信と並行してデータ受信を行うこと) 動作をサポートしていないとみなし、「配信前に検索」や「遅延検索」の処理は行いません。
この場合、IWSS / IWSVA は、ICAP クライアントから検索データを受信し、ウイルス検索が完了した後に ICAP クライアントへ検索結果を応答する動作になるため、大きなファイルをダウンロードする際など、データの受信や検索に時間がかかることで、クライアント端末でファイルのダウンロードが開始されるまで時間がかかる場合があります。
ICAP クライアントから送られるリクエストヘッダに「X-TE: Trailers」が含まれていない場合、HTTP 検索ログ (http.log.<date>.<count>) に以下のメッセージが記録されます。
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WARNING: X-TE trailers not found, ICAP client does NOT support trickling for this type of transaction
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なお、連携する ICAP クライアントが「X-TE: Trailers」をサポートしているかは、ご利用の ICAP クライアントのサポート窓口へご確認ください。
- IWSS / IWSVA の Linux コンソールに root ユーザでログインします。
- 以下の設定ファイル開きます。
# vi /etc/iscan/IWSSPIProtocolIcap.pni
- 以下のパラメータを no に変更します。(初期値: yes)
require_xte_for_early_response=no
- 検索サービスを再起動します。
# /etc/iscan/S99ISproxy stop
# /etc/iscan/S99ISproxy start