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サーバ~クライアント間でNATなどのIPアドレス変換を行っているネットワーク環境にて ウイルスバスタービジネスセキュリティ(以下、ビジネスセキュリティ)を利用する際、以下の一部制限事項がありますが、それ以外の製品機能は利用できます。

制限事項

 
次の制限事項は、サーバからクライアントへの通信方向でコンピュータを特定できない、NATなどのIPアドレス変換の仕様に起因するものです。制限事項をご了承の上、利用してください。
 
  • 管理コンソール上でビジネスセキュリティ クライアントのオンライン/オフラインのステータスが正常に反映されない。
     
    ※NATなどのIPアドレス変換を行っている環境ではビジネスセキュリティ サーバがクライアントを認識できず、「オフライン」のクライアントとして管理コンソール上に表示されます。
     
  • ビジネスセキュリティ サーバからクライアントへ、パターンファイルなどの配信を行えない。
     
    ※ビジネスセキュリティ サーバからクライアント方向へ通信が行えないため、クライアント側からアップデート動作を行う必要があります。同じ理由によりビジネスセキュリティ サーバからクライアントに対する起動時のアップデートも行えません。
 
 

NAT環境などでクライアントをアップデートする方法

 
ビジネスセキュリティ クライアントからアップデートを行います。
 
設定を変更することにより、以下のどちらかのサーバを利用してアップデートを行うことができます。
 
  • Active Updateサーバ
  • ビジネスセキュリティサーバ
 

Step 1 クライアント権限の変更

 
まずクライアント側からアップデートが実行できるようにクライアント権限を変更します。
 
ビジネスセキュリティ クライアントのタスクトレイアイコンを右クリックして「今すぐアップデート」メニューがないクライアントへはアップデート権限を変更することができません。
 
NAT環境ではビジネスセキュリティ サーバからクライアントへ設定変更の通知を送信することができないためです。設定変更を行った後にインストールを行うクライアントにのみ、この変更が反映されます。
 
 
  1. 管理コンソールにログインし、[セキュリティ設定]→[クライアントグループ名]→[設定]→[クライアント権限]画面を開きます。
     
     
  2. 手動アップデートを有効にする場合は、「アップデート権限」の次の項目にチェックを入れます。
     
    ・手動アップデートの実行を許可

     

     
     
  3. [保存]ボタンを押します。
     

    [保存]ボタンを押すと既存および新規クライアントに権限を与えます。
     
    NATなどの環境下では権限変更の通知がクライアントに届きません。しかし通信が正常に行うことができる環境が混在している場合、通知を受けたクライアントの権限が変更されます。

     
  4. 自動アップデートのスケジュールを設定する場合は、[アップデート]→[自動アップデート]をクリックし、[スケジュール]タブから設定します。
     

    スマートスキャンを利用している場合は、「従来型スキャンによるアップデート」の項目名が、「スマートスキャンによるアップデート」という名称になります。
     
 

Step 2 クライアント上でアップデートの実施

 
権限の変更が完了したら、クライアント上でアップデートを実施します。
 
 
  1. タスクトレイ内にあるビジネスセキュリティ クライアントのアイコンを右クリックし、「今すぐアップデート」を選択します。
     
     
     
     
  2. アップデートが開始します。
 

NAT環境などでクライアント権限の設定変更が反映されるタイミング

 
NAT環境などで検索権限などのクライアント権限の設定変更を行った場合は、次回クライアントからのパターンファイルアップデート通知がサーバに届いたタイミングで、設定変更情報がクライアントに配信されます。
 
 

NAT環境などでクライアントが認識できなくなる現象の解説

 
次のような通信を行うため、NAT環境など、IPアドレスの変換を行っている状況ではクライアントが認識できなくなります。ここでは「Client01」が"C*"というプライベートIPアドレスを持っていると仮定します。
 
  1. 「Client01」が自身のIPアドレス:C*をサーバに向けて通知します。
     
  2. ルータなどを越して、その情報がビジネスセキュリティ サーバに届きます。
     
  3. Client01のIPアドレスとコンピュータ名が、ビジネスセキュリティ サーバのデータベースに登録されます。
     
  4. ビジネスセキュリティ サーバがIPアドレス:C* に向けて通信を試みます。しかし、プライベートIPアドレスしか情報がないため、サーバからクライアントに向けた通信を行うことができません。そのため、クライアントが認識できない状態になります。
 
  

 
 
※クライアントとなるコンピュータはDHCPでIPアドレスを割り当てられていることが多く想定されるため、コンピュータ名ではなく、IPアドレスを元に通信を試みる仕組みになっています。