ここでは原因と回避策について説明します。
原因について
まず、インターネットメールの仕様として、ひとつのヘッダフィールドの行が長くなる場合、複数行に分けて構成する場合があります。これを Folding (折り返し) と言います。ヘッダフィールドを折り返す場合、ホワイトスペース (タブないしスペース) を行頭に挿入し、複数行のヘッダフィールドを生成します。
例えば、以下の (a), (b) いずれの Subject ヘッダフィールドも、This is a test という件名を意味します。
Subject: This is a test
Subject: This <TAB>is a test
しかし、一部のメッセージでは以下のように折り返されたヘッダフィールドに <TAB> のみの行が含まれている場合があります。
To: user1@example.com, user2@example.com, user3@example.com, <TAB> <TAB>user4@example.com, user5@example.com
InterScan MSS および IMSVA では、このようなタブのみの行に対して初期設定でそのタブ (ASCII コードで 0x09) を削除するため、次のように To ヘッダフィールドの途中にメッセージヘッダと本文 (ボディ) を分ける空行が存在することになります。
To: user1@example.com, user2@example.com, user3@example.com, <TAB>user4@example.com, user5@example.com
InterScan MSS/IMSVA は検索時にメッセージヘッダの末尾に X-TM から始まるヘッダを追加するため、以下のように "To: user1@example.com, user2@example.com, user3@example.com," の行の直後に X-TM から始まるヘッダを追加されてメッセージは配送されます。そのため、メールクライアントでは本来のメッセージを正しく表示できません。
To: user1@example.com, user2@example.com, user3@example.com, X-TM-AS-Product-Ver: IMSS-7.1.0.1241-7.5.0.1017-20570.004 X-TM-AS-Result: No-0.674-5.0-31-1 X-imss-scan-details: No-0.674-5.0-31-1 ... <TAB>user4@example.com, user5@example.com
回避策について
以下の手順で設定ファイル imss.ini にパラメータ「EnableTabLineAnalysisInHeader」を設定して回避してください。
InterScan MSS のインストールディレクトリは初期設定では /opt/trend/imss です。インストール時にインストールディレクトリを変更している場合には /opt/trend/imss を置き換えてください。
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InterScan MSS または IMSVA サーバに root でログインし、vi で設定ファイル main.cf を開き、以下のように [MessageModule] セクションにパラメータ「EnableTabLineAnalysisInHeader」を追加してファイルを上書きで保存します。
/opt/trend/imss/config/imss.ini:[MessageModule] EnableTabLineAnalysisInHeader=no
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設定ファイル編集後、以下のコマンドを実行し、検索サービスを再起動します。
# /opt/trend/imss/script/S99IMSS restart