はじめに
ビジネスセキュリティを運用していく中で、長期間の休日明けにパターンファイルを更新する際には、フルサイズのパターンファイルがエージェントへ配信されることで、ネットワークにかかる負荷が増加する場合があります。
通常であれば差分パターンファイルで配信されますので、ネットワークにかかる負荷はそれほど大きくありません。しかし、長期期間の休暇の間、コンピュータの電源をOFFにしている場合、その間にパターンファイルの更新が進むと、差分パターンファイルでの更新世代の上限を超えてしまいます。
その結果、次回のコンピュータ起動時に、フルサイズでのパターンファイルが配信される可能性があります。
複数のビジネスセキュリティエージェントを、帯域幅の少ないWAN回線越しに管理している環境ではその影響を受けやすくなり、パターンファイルの更新にかかるトラフィックで帯域幅を消費してしまう可能性も考えられます。
そこで以下に紹介する機能を使うことで、帯域幅の少ない回線にかかる負荷を減らすことが可能です。
概要
一部のビジネスセキュリティエージェントに「アップデートエージェント」 機能を付与することで、ビジネスセキュリティサーバのように、パターンファイルなどを配信させる機能を持たすことができます。(子サーバのような役割を果たします)
他のエージェントは、ビジネスセキュリティサーバからではなく、「アップデートエージェント」からパターンファイルなどの配信を受けることができます。
例えば、WAN回線の先にあるネットワーク上のビジネスセキュリティエージェント群の中の1台に、「アップデートエージェント」機能を付与することで、その「アップデートエージェント」1台のみが、ビジネスセキュリティサーバからパターンファイルの配信を受けます。それ以外のエージェントはLAN内の「アップデートエージェント」から配信を受けることが出来るので、WAN回線にかかる負荷はコンピュータ1台の配信分のトラフィックで済みます。
1台のビジネスセキュリティサーバから、WAN回線越しに複数の拠点を管理している場合は、各拠点ごとに「アップデートエージェント」を設置することも可能です。
設定方法
次の手順で設定ができます。
- 管理コンソールを開き、ログインします。
- [アップデート] タブから[アップデート元]をクリックします。
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[アップデートエージェント] タブから、[アップデートエージェントの割り当て]の項目で、「追加」をクリックします。
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表示された一覧から「アップデートエージェント」機能を付与するコンピュータを選択し、保存します。
- [その他のアップデート元]の項目で、次の項目にチェックを入れます。
・ビジネスセキュリティエージェントおよびアップデートエージェントの
その他のアップデート元を有効にする
アップデートエージェントを他のアップデートエージェントからではなく、必ずビジネスセキュリティサーバまたは、トレンドマイクロのアップデートサーバからアップデートさせたい時は、「アップデートエージェントを有効にして、特定のアップデート元から最新コンポーネントをダウンロードする」にチェックを入れ、次のいずれかの項目にもチェックを入れます。
・常にビジネスセキュリティからアップデートをダウンロードする
・常にトレンドマイクロのアップデートサーバからアップデートをダウンロードする
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続けて[その他のアップデート元]の項目で「追加」をクリックし、どのエージェントを「アップデートエージェント」からアップデートさせるかを設定します。
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アップデートエージェントから配信させたいエージェントをIPアドレスで指定します。
例では、192.168.1.1~192.168.1.10の範囲のエージェントを指定しています。
- IPアドレスの範囲を指定することで、複数のエージェントをまとめて指定できます。
- “開始IPアドレス”、“終了IPアドレス”共に同じIPアドレスを指定することで、1台のエージェントを指定することもできます。
- IPアドレスの範囲を指定することで、複数のエージェントをまとめて指定できます。
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「アップデートエージェント」のプルダウンメニューから該当するアップデートエージェントを選択し、「保存」ボタンをクリックします。
操作は以上で終了です。