概要
データベーススキーマアップグレードツールを使用して、スキーマアップグレードをすることができます。
アップグレードツールは以下DSMバージョンで使用されているデータベーススキーマへアップグレードすることができます。
・9.0 SP1 P5/9.5 SP1 P3
・9.6 SP1 P1
注意事項
- 本製品 Q&A に記載している手順は、SQL Server 2005 や Oracle データベースはサポートしていません。
- 概要にも記載しているとおり、スキーマの手動アップグレードはデータベースに SQL Server を使用している環境で必要となります。Oracle データベース環境の場合は不要です (また、上記のとおりサポートもしていません)。
- 複数 DSM ノード環境の場合、マイグレーション (スキーマアップグレード) 後の DSM のアップグレードはすべてのノードで実施する必要があります。
- マルチテナント環境の場合、すべてのテナントにおいてマイグレーション (スキーマアップグレード) が完了してから、DSM のアップグレードを実施する必要があります。
- ツールを実行する際、DSMを事前停止する必要はありませんが、アップグレード中はDSMがデータベースへアクセスすることができなくなるため、関連するエラーがシステムイベントなどに記録されます。
データベースサイズにより、マイグレーション完了まで長時間かかる場合がありますので、業務影響が最少となる時間帯でマイグレーションを実行することを推奨します。 - マイグレーションをする前に必ずDBのバックアップを取得してください。
また、SQLサーバのデータベース 復旧方法は事前にご確認ください。 - AWS RDS上でSQL Serverを稼働させている場合、
本ツールでスキーマアップグレードを行うことができませんので、
Q&A:アップグレード前のデータベーススキーマの手動アップグレード方法
でご案内しているスクリプトを使用して、スキーマのアップグレードを実施してください。
データベーススキーマアップグレードツールの使い方
事前準備
- Trend Micro DB Upgrade Toolをダウンロードします。
※(ご注意)ダウンロードの前に、本ツールの使用許諾契約書をご確認ください。 - DBアップグレードツールを実行するコンピュータに「Microsoft .Net Framework 3.5+」がインストールされていることを確認します。
- インストールされていない場合、Server Managerを起動し、
「機能と役割の追加」から「.Net Framework 3.5 Features」をインストールします。
以降の手順にも記載されていますが、ツールの実行にはSQL Server系のユーティリティのインストールが必要になるため、 下記のツールがインストールされている環境でツールを使用することを推奨します。
・MicrosoftR SQL ServerR 2008 R2 Native Client
・MicrosoftR SQL ServerR 2008 R2 Command Line Utilities (SQLCMD)
DBアップグレードツール起動
- ダウンロードしたZipファイルを解凍し、ツールを実行するマシンのローカルフォルダに配置します。
- 「TrendDBMigrator」をダブルクリックします。
- 以下画面の「OK」をクリック後、ツールが表示されます。
以下プログラムがインストールされている環境で「TrendDBMigrator」を実行した場合、3.、4.のInfomation画面は表示されません。
・MicrosoftR SQL ServerR 2008 R2 Native Client
・MicrosoftR SQL ServerR 2008 R2 Command Line Utilities (SQLCMD)
DBアップグレードツールでDBへ接続
- 「Database Setting」タブを表示し、以下項目を入力します。
・T0 Database Server IP/Host:SQL ServerのIPアドレスかホスト名を入力します。
・User Name:SQL Serverのログインユーザ名を入力します。(例:sa)・Password:SQL Serverのログインパスワードを入力します。・Server instance Name:インスタンス名が無い場合は入力は不要です。
・Show Muti-tenants DSM Database Only:マルチテナントの場合のみチェックを入れます。
・Integrated Security:「User Name」にドメインアカウントを使用する場合のみチェックを入れます。
・Migrating T0 To:アップグレード後のバージョンにチェックを入れます。
入力後、「Connect」をクリックします。 - 「T0 or DSM Database(s)」欄にアップグレード対象のDBが表示され、
「Migration Status」が「Not Migrated」になっていることを確認します。
DBアップグレード操作
- アップグレード対象DBを選択し、「Migrate-Selected Database」をクリックします。
- DBに十分な空き容量が無い場合、以下画面が表示されます。表示されない場合は、3.へ進みます。
・Space Used by Database:現在のDB使用量
・150% of used space:アップグレードするために必要なDBの容量
上記画面が表示された場合、対象DBに対して下記いずれかの設定変更を実施します。
(A) DB初期サイズ変更
(B) 自動拡張設定の変更
<(A) DB初期サイズ変更手順>
a.Microsoft SQL Server Management Studioを起動します。
b.対象のDBを右クリックし、 プロパティ > ファイルを選択します。
c.初期サイズを「"Space Used by Database" + "150% of used space"」
で表示された値よりも大きい値に変更します。
d.「OK」をクリックします。
<DB初期サイズ変更手順>完了後に、再度「Migrate-Selected Database」をクリックします。
※ディスクの空き容量をご確認のうえ、<DB初期サイズ変更手順>を実行してください。
<(B) 自動拡張設定の変更>
上記 a. および b. の手順を実行し「自動拡張 / 最大サイズ」を選択し「自動拡張を有効にする」にチェックを入れ「ファイルの最大サイズ」を「無制限」にします - アップグレードに必要な空き容量がある場合、以下画面が表示されますので、OKをクリックします。
- 以下画面が表示されたら、OKをクリックします。
- 以下画面が表示されたら、OKをクリックします。
- DBアップグレードの実行ログは、ツールの「Real-time Log」タブ画面からリアルタイムで確認することができます。
また、アップグレード終了後には、TrendDBUpgradeフォルダ > Logフォルダ配下にも実行ログが出力されます。 - 実行ログ内に「Schema Migration Completed」 のメッセージが出力されていることを確認します。
- ツールの「Database Settings」タブ画面を表示させ、アップグレードしたDBの「Migration Status」が「Already Migrated」になっていることを確認します。
マルチテナントDBのアップグレード操作
- 「DB Connection」欄に接続先のSQL Serverの情報を入力し、「Show Muti-tenants DSM Database Only」にチェックが入っていることを確認した後、「Connect」をクリックします。
「Selected T0's Tenants」欄にアップグレード対象のDBが表示されることを確認します。 - アップグレード対象のDBの「Select」欄にチェックを入れます。
- 「Manual Operations for Selected Tenants Only」欄の「Migrate-Selected Tenants」をクリックします。
- それぞれのDBで空き容量が不足している場合、以下画面が表示されますので、「DBアップグレード操作 2.」と同様の操作で、DBの初期サイズを変更してください。
- アップグレードに必要な空き容量がある場合、以下画面が表示されますので、OKをクリックします。
- アップグレード終了後、それぞれのテナントに対して、実行ログに「Schema Migration Completed」 のメッセージが出力されていることを確認します。