■新パターンファイル管理システムとは
Servie Pack 1(3.8-Build_3013)では、InterScan VirusWallが使用するウイルスパターンファイルの番号が、次に示す新しい形式で表示されるようになります。
ロール番号.パターンファイルのバージョン.ビルド番号
• ロール番号:パターンファイルのバージョンが999を超えた場合に何巡目かを示す、最大5桁の数字(0~21474)
• パターンファイルのバージョン:パターンファイル lpt$vpn.###の拡張子部分と同じ3桁の数字(100~999)
• ビルド番号:パッチまたは特別なリリース番号を示す2桁の数字(00~99)
この新しい表示形式では、たとえば2003年にリリースされたパターンファイル628の番号が「1.628.00」と表示されます。この表示形式の変更は、他のウイルス検索機能や、従来の3桁の番号形式を持つ他のトレンドマイクロ製品の機能には一切影響しません。なお、バージョン2.5以下のTrend Micro Control Managerでは、パターンファイル番号が従来の3桁で識別、表示されます。
■インストールの前に
インストールを行なう前に、付属のReadmeファイルおよび管理者ガイドをお読みください。InterScan VirusWallのご利用にあたり重要な情報が記載されています。
また、本Service Pack 1(3.8-Build_3013)の適用前にInterScan VirusWall for UNIX 3.8がインストールされている必要があります。
■事前準備
Service Pack 1(3.8-Build_3013)のインストールトラブルに備え、各種ファイルのバックアップを行ってください。バックアップしたファイルはシステムのリカバリに使用することが可能です。
製品Q&A:5682「InterScan VirusWall for UNIXのバックアップとリカバリ」
注意:Service Pack 1(3.8-Build_3013)には、ウイルス検索エンジン VSAPI 7.000-1011(リパック以前の場合、VSAPI 6.810-1005)が同梱されています。最新の検索エンジンを使用している場合、ダウングレードする場合があります。
■修正プログラム(HotFix)をご利用いただいているお客様へ
Service Pack 1(3.8-Build_3013)には、3.8-Build_1213までの累積修正を含んでいます。3.8-Build_1213以降の修正プログラム(HotFix)をお使いの場合には、個別にお問い合わせください。
コマンドラインコンソールを開き、下記のコマンド文字列を入力します。出力結果が合致する場合には、サポート窓口へお問い合わせください。
InterScan VirusWall for UNIX 3.8 Solaris/Linux版
# /opt/trend/ISSMTP/IScan.SMTP/issmtpd -v |
InterScan VirusWall for UNIX 3.8 Linux版のみ
# ls -al getconf |
※ InterScan VirusWall for UNIXのサポート窓口はこちらをご覧ください。
■「sendmailのアンチスパム機能に対応したE-Mail VirusWallの設定」を実施しているお客様へ
管理者ガイド記載の「sendmailのアンチスパム機能に対応したE-Mail VirusWallの設定」を実施している場合、起動スクリプトの変更を行う必要があります。
• Linux版:/etc/rc.d/rc3.d/S80sendmail
サービスパックの適用の実施により、これら起動スクリプトの変更が初期化されます。
適用完了後に再度起動スクリプトの変更作業を実施してください。
*Solaris版においては「/etc/rc2.d/S88sendmail」ファイルの初期化を行いません。このため、適用完了後の起動スクリプト変更作業は必要ありません。
■最新版ダウンロード
Service Pack 1(3.8-Build_3013)は こちら からダウンロードできます。
■インストール手順
本Service Pack 1(3.8-Build_3013)のインストール手順は次の通りです。
1. root(システム管理者)権限でログインします。
2. 本Service Pack 1(3.8-Build_3013)を任意のディレクトリに展開します。
# tar xvf isvw38_sol_sp1_b3013.tar Solaris版 |
3. /etc/iscan/intscan.iniファイル、/etc/iscan/libvsapi.soファイルが(install_dir)/ISBASE/IScan.Base以下のそれぞれのファイルのシンボリックリンクであることを確認してください。
# ls -al /etc/iscan/intscan.ini |
*(install_dir)は、InterScan VirusWall for UNIX 3.8 がインストールされたディレクトリのパスです。初期設定では「/opt/trend」です。
4. 本サービスパックを展開したディレクトリに移動して以下のスクリプトを実行します。
# ./sp1_isinst_isux38_sol Solaris版 |
このスクリプトの実行により、次の作業が自動で実行されます。
• InterScan VirusWall全サービスの停止
• 置換するモジュールのバックアップ
• Service Pack 1(3.8-Build_3013)の適用
• InterScan VirusWallサービスの再起動
5. License Agreement(使用許諾)が表示されます。「SPACE」キーにて読み進めてください。同意(accept)を求める画面が表示されます。使用許諾に同意できる場合、「y」キーを押してください。
NOTICE: Trend Micro licenses its products in accordance with certain terms and conditions. By breaking the seal on the CD jacket in the Software package or installing a serial number, registration key or activation code, You already accepted a Trend Micro license agreement. A courtesy copy of a representative Trend Micro License Agreement is included for reference below. The language and terms of the actual Trend Micro license agreement that you accepted may vary. |
6. InterScan VirusWall全サービスの停止を確認するプロンプトが表示されます。停止の準備が整っている場合、「y」キーを押してください。
Installation will have to stop the scanning service for a few minutes... |
7. Service Pack 1(3.8-Build_3013)の適用が完了し、InterScan VirusWallサービスの再起動が行われます。
Starting InterScan HTTP daemon ... |
■インストールの確認手順
インストールおよびアップデートの確認手順は次の通りです。
1. Webブラウザを起動し、ポート番号 (:1812) をつけたInterScan VirusWallのURLを入力します。IPアドレスの部分は、InterScan VirusWallのFQDN名またはIPアドレスのいずれかを入力します。
http://(InterScan VirusWallのIPアドレス:1812/interscan
2. InterScan VirusWallの管理コンソールにはパスワードが設定されています。初期設定では、ユーザ名、パスワードともに admin が設定されています。
3. 管理コンソールの左側のメニューから [About] をクリックします。
4. 画面にウイルス検索エンジン、ウイルスパターンファイル、プログラムのバージョン (Build 番号) が表示されます。
正しくインストール/アップデートが行なわれている場合、以下のビルド番号表示となります。
また、パターン番号表記が従来の3桁から1.329.00のように5桁表示になります。
※コマンドラインコンソールからも、「Environment Collector for ActiveSupport」と呼ばれる、ASenviron.cshスクリプトを実行することにより、インストールおよびアップデートの確認を行うことが可能です。
# cd /etc/iscan |
製品Q&A:5827「システム環境確認スクリプト「ASenviron.csh」とはどんな機能ですか」
■インストールの後に
インストールを行なった後に、ウイルスパターンファイルおよびウイルス検索エンジンのアップデートを行なうことを強くお勧めします。最新のウイルスに対応するために、ウイルス検索エンジン、ウイルス検索パターンファイルを、常に最新の状態に保っていただく必要があります。
製品Q&A:3653「検索エンジンアップデート手順」
■アンインストール手順
本Service Pack 1(3.8-Build_3013)に含まれている以下のスクリプトを実行することでService Pack 1(3.8-Build_3013)をアンインストールできます。
# ./sp1_isinst_isux38_sol Solaris版 |
■寄せられる質問
1. Q. サービスパック適用後、次のような見慣れぬメッセージが管理コンソール上に表示されています。どのような意味を持っているのでしょうか。
To start the sendmail daemon to process queue, run /usr/lib/sendmail -q1h command while logged on as a root user.
To stop the sendmail flush daemon, run /etc/rc2.d/S88sendmail stop command while logged on as a root user.
A. コマンドモードにおいて「/usr/lib/sendmail -q1h」プロセスを起動または停止する必要があることを通知する CGIスクリプト (isswitch.cgi)による効果です。メッセージの詳細につきましてはこちらをご参照ください。
2. Q. Solaris版 サービスパックインストール処理完了後、オリジナルのsendmailデーモンが起動しません。どのような対策を行えばよいのでしょうか。
A. サービスパックインストール前にあらかじめインストールスクリプト(sp1_isinst_isux38_sol)の編集を実施してください。これにより、オリジナルのsendmailデーモンを起動させることができます。スクリプトの編集方法に関しては次の製品Q&Aを参照してください。
製品Q&A:9438「SMTP:Solaris版
Service Pack 1 / Patch 1 を適用後に、オリジナルsendmailのデーモンが起動しない」
既にサービスパックのインストールが完了している場合、管理コンソールよりSMTP検索サービスを起動してください。
3. Q. Solaris版 サービスパックインストール処理完了後、オリジナルのCVP検索デーモンが起動しません。どのような対策を行えばよいのでしょうか。
A. サービスパックインストール前にあらかじめインストールスクリプト(sp1_isinst_isux38_sol)の編集を実施してください。これにより、CVP検索デーモンを起動させることができます。スクリプトの編集方法に関しては次の製品Q&Aを参照してください。
製品Q&A:9691「CVP:Solaris版 Service Pack 1 / Patch 1 を適用後に、CVPデーモンが起動しない」
既にサービスパックのインストールが完了している場合、管理コンソールよりCVP検索サービスを起動してください。
4. Q. 「新パターンファイル管理システム」に対応させるため、サービスパックのインストールを実施しました。パターンファイルのアップデートを実施したところ「1.96x.00」と表記されています。多数桁になっていれば問題ないのでしょうか。
A. アップデート元URLの指定が誤っている可能性があります。「新パターンファイル管理システム」対応済みの場合、パターンファイル番号「960」以降より、「2.16x.00」と表記されます。次のコマンドを実行し、アップデート元URLをご確認ください。
# /etc/iscan/getconf Registration hostname |
上記コマンド結果と異なる値が出力された場合、「/etc/iscan/intscan.ini」ファイルの[Registration]セクションにおける「hostname」パラメータの値を次のとおり設定してください。
• バージョン 3.8 サービスパック1 (新パターンファイル管理システム対応)
http://isux-p.activeupdate.trendmicro.com/activeupdate/japan
