概要
一部のドメイン宛にメッセージを送信することができず、InterScan Messaging Security Suite (InterScan MSS) から「配信不能最終通知」 (バウンスメール) が送信者に届きます。どのような理由が考えられますか。
詳細
配送先のメールサーバに接続し、メッセージを配送する際、一般的に SMTP クライアントは HELO/EHLO コマンドを発行し、メールサーバ (SMTPサーバ) に自身を明らかにします。
※ EHLO は ESMTP (SMTP 拡張) における HELO コマンドの代替です。
InterScan MSS の場合、初期設定でシステム (Windows OS) に設定されたホスト名を指定して HELO/EHLO コマンドを発行します。例えば サーバのホスト名に mail.example.com が設定されていれば、InterScan MSS は次のコマンドを発行します。
EHLO mail.example.com
一方、配送先のメールサーバによっては HELO/EHLO のコマンドをチェックし、もし HELO/EHLO に指定されたホスト名が FQDN でなかっ た り、名前の解決ができないものであれば SMTP 接続を拒否するように設定されている場合があります。
そのため、"mail" のみなど、InterScan MSS のサーバのホスト名が FQDN で指定されていなかったり、名前の解決ができないホスト名が指 定 されていた場合、配送先のメールサーバから接続を拒否される可能性があります。
配送先のメールサーバから HELO/EHLO のコマンドが要因で接続を拒否された場合、管理コンソールのログのクエリにおいて種類に「MTAイ ベント」を選択してクエリすると、「説明」の項目に例えば次のようなエラーメッセージが表示されます。
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<user@example.net> : 返信元 smtp.example.net[<IPアドレス>]: \n >>> RCPT TO:<user@example.net> \n <<< 504 5.5.2 <mail>: Helo command rejected: need fully-qualified hostname\r\n; |
※ 上記は一例です。メッセージ拒否時に返される SMTP の応答はメールサーバによって異なります。応答メッセージから要因につい て判断で きない場合、配送先メールサーバの管理者にご確認ください。
回避策
InterScan MSS が HELO/EHLO コマンドに任意のホスト名を指定してコマンドを送信するよう、以下の手順を実施してください。
※ InterScan MSS のインストールフォルダ %IMSS_HOME% は初期設定では C:\Program Files\Trend Micro\IMSSです。
1. 設定ファイル tsmtpd.ini にある [SmtpClient] セクションにパラメータ「HeloDomain」を以下のように設定します。パラメー タに はインターネットで名前の解決が可能なホスト名を必ず指定してください。
%IMSS_HOME%\config\tsmtpd.ini:
[SmtpClient]
HeloDomain=mail.example.com
2. 設定ファイル編集後、サービス「Trend Micro IMSS SMTP Service」を再起動します。
サービス再起動時にポップアップが表示され、検索サービス「Trend Micro IMSS Scan Service」の再起動を求められるので、[はい ] をクリックしてください。
