InterScan MSS 7.5 Windows版 および IMSVA 9.1 では初期設定でホップ数 (Received ヘッダの数) が制限されており、任意の値に変更できます。
InterScan MSS 7.1/9.1 Linux版 ではメールサーバ (MTA) の機能は Postfix や sendmail など、連携する MTA が担います。そのため、InterScan MSS 自身にはホップ数の制限は実装されていません。
InterScan MSS 7.5 Windows版
InterScan MSS 7.5 Windows版 では初期設定でホップ数が 16 に制限されています。
制限値の確認と変更
ホップ数の制限値 (上限値) を確認するには管理コンソールの 管理 > InterScan MSSの設定 > SMTPルーティング > メッセージ配信 の画面を開きます。「ホップ制限/マスカレードドメイン」にある「最大ホップ回数」の値を確認してください。
「最大ホップ回数」に任意の値を設定して [保存] をクリックすることで制限値を変更できます。
制限値を 0 に設定することでホップ数の制限を無制限にできますが、メールのループを検出できなくなるため、推奨しません。
制限値を超えた場合の動作
受信したメッセージがホップ数の制限値を超えている場合、InterScan MSS はメッセージを破棄し、配送不能通知 (バウンスメール) を作成して送信者に送信します。
その場合、mailtrace.log.yyyymmdd.NNNN には次のようなログが出力されます。
2019/05/09 11:54:31 GMT+09:00 0074f98e00000001@imss75.trendmicro.com 1 259 jane@example.com john@trendmicro.com : メッセージがホップ回数の上限を超えています。; outbox\5A24E07B-A772-4079-82AC-F7784CAC336F
InterScan MSS のログは初期設定では C:¥Program Files (x86)¥Trend Micro¥IMSS\log に保存されています。
IMSVA 9.1
IMSVA 9.1 では初期設定でホップ数が 50 に制限されています。
制限値の確認と変更
ホップ数の制限値 (上限値) を確認するには IMSVA のサーバに root でログインし、以下のコマンドを実行してください。
# postconf hopcount_limit hopcount_limit = 50
制限値を変更するには vi で Postfix の設定ファイル main.cf を開き、以下のようにパラメータ hopcount_limit を追記します。
hopcount_limit = 100
上記の設定例では 100 に制限値を引き上げています。
設定ファイル編集後、以下のコマンドを実行してリロードし、設定を反映してください。
# postfix reload
制限値を超えた場合の動作
メッセージがホップ数の制限値を超えている場合、接続元 (送信元) のメールサーバなど、IMSVA に接続する SMTP クライアントに対して 554 の応答を返し、恒久的に SMTP 接続を拒否します。
その場合、メールログ (/var/log/maillog) には次のようなログが出力されます。
May 7 17:59:05 imsva91 postfix/smtpd[25750]: proxy-reject: END-OF-MESSAGE: 554 5.4.0 Error: too many hops; from= to= proto=ESMTP helo=