Trend Micro Hosted Email Security (以下HES)におけるディレクトリ管理の機能および設定時の注意事項について以下に記載します。
■機能説明
HES の [ディレクトリ管理] 機能では、LDAPユーザ ディレクトリをインポートすることで、社内の正当なメールアドレスおよびドメインを識別することができます。これにより、後方散乱 (backscatter:バックスキャッタ) スパムメールを第三者のメールサーバに送信してしまうことを防ぐことが可能です。
※ HES のディレクトリのインポート機能は LDIF および CSVファイル形式にのみ対応しています。
■CSVファイルの記載内容に関する注意事項
Q1. メールアドレスは大文字と小文字を区別しますか?
→大文字と小文字の区別はありません。
お客さまがご利用のメール環境によっては、メールアドレスに
大文字を含む場合があります。以下の例ではどちらでお送り
いただいてもHESで受信可能です。
例)
お客さまの環境における実際のメールアドレス: Trend@domain.com
ディレクトリ管理へ登録するメールアドレス: trend@domain.com
Q2. 複数のメールアドレスを所有している一人のユーザがいます。
複数のメールアドレスに対して、重複している同じ名前を記載する
ことは可能ですか?
→問題ありません。
Q3. 登録時には、メールアドレスと名前を同時に登録するが、メール
アドレスのみで、名前の部分が空白であった場合、問題が発生しますか?
→問題ありません。(ただし、お客さまの管理上、できるだけ名前についても
記載されることをお奨めします。)
Q4. ユーザを追加するなどの理由で、新しいファイルのアップロードを
行う予定です。差分のみをアップロードすれば良いでしょうか。
→誤りです。差分ではなく、全ユーザの情報を再度アップロードしてください。
ただし、ドメインを複数登録されている場合には、追加予定のユーザ情報を
含むドメインのみ全数分アップロードすれば結構です。詳しくは以下の例を
ご参照ください。
例)"domain1.com" と "domain2.com"がHESに登録されて
いるものとします。
(変更前)
<EMAILアドレス><名前>
(1)aaa@domain1.com,AAA
(2)bbb@domain1.com,BBB
(3)xxx@domain2.com,XXX
csvファイルのアップロード(その内容: ccc@domain1.com,CCC)
(アップロード完了後)
<EMAILアドレス><名前>
(1)xxx@domain2.com,XXX
(2)ccc@domain1.com,CCC
上記の例では、aaa@domain1.com,AAAとbbb@domain1.com,BBBの
情報は削除されてしまいます。
以上です。