概要
V1ECSは、トレンドマイクロのセキュリティソリューション「Trend Vision One」(以下、Vision One)の一機能であるメールソリューションサービスです。
V1 ECSでは CAS のメールセキュリティ/クラウドアプリケーションセキュリティの機能を Vision One上に統合し、CAS の各種設定を「Cloud Email and Collaboration Protection」にアップデートする機能を提供いたします。
これにより、CAS をご利用のお客様はV1ECSの「Cloud Email and Collaboration Protection」へのアップデートが可能となり、アップデートをおこなった時点での CASのライセンス有効期限まで無償でV1ECSをご利用いただけます。
なお、これ以降特記事項がない限り本記事内におけるV1ECSは「Cloud Email and Collaboration Protection」を指すものとします。
アップデート機能をご利用いただけるお客様に関する留意事項
- CASのライセンスをトレンドマイクロよりTrend Micro SaaS Subscription License(TSSL)またはTrend Micro 運用受託ライセンス(以下、TMOL)にて購入いただいているお客様向けの機能となります。
弊社販売SaaSパートナー様経由等で、Trend Micro マネージド事業者ライセンス(MSPL)でご購入いただいている場合は、恐れ入りますがご利用いただくことはできません。
V1ECS へのアップデート後は、アップデート元の CAS ライセンスに応じて、下記のCreditsが付与されます。
アップデート元のCASライセンス | 付与Credits数 |
CAS Standard | 25 * シート数 |
CAS Standard with XDR Add-on | 30 * シート数 |
ただし、アップデート元の CAS で仮想アナライザにより URL を分析する URL サンドボックスを有効化している場合、V1ECS へアップデート後に使用されるクレジットは上記「付与Credits数」に「25 * シート数」を足した数になります。
例)URL サンドボックス を有効化していた CAS Standard ユーザ(シート数:100)が移行した場合
付与される Credits 数は 25 * 100 で「2500」となる。
しかし、V1ECS へアップデート後に使用される(V1ECS 機能に割り当てられる)Credits 数は 50 * 100 で「5000」となる。
この場合の Credits 不足は製品仕様のためそのままご利用いただけます。また、V1ECS の動作にも影響はございません。
必要な Credits 数の不足に関してはこちらをご確認ください。
アップデートの詳細は後述の内容をご確認ください。
CASからV1ECSへのアップデート作業を実施いただく前に、以下の注意事項を必ずご確認ください。
- アップデート作業を実施し、V1ECSへのアップデートが完了した後は、CASの管理コンソールにログインすることはできません(アップデート作業の切り戻しを実施することはできません)。
- V1ECSへのアップデートを行う過程で、Vision Oneプラットフォームのアップデートが必要になります。
- Vision Oneプラットフォームのアップデートを実施すると、それまで使用していたCLPアカウント名をVision One管理コンソールへのサインインに使用することはできなくなります。
- 2024年1月15日の実装時点で一部機能が V1ECS のコンソールで使用できないため、 こちら で対象機能について記載しておりますのでご確認ください。
CASからV1ECSへのアップデートには、「CAS管理コンソールに表示されるバナーからのアップデート」と「Vision One管理コンソールからのアップデート」の2つの方法があります。
ここでは、それぞれの手順を説明します。
1.CAS管理コンソールに表示されるバナーからのV1ECSへのアップデート手順
1.1.CAS管理コンソール上のバナーをクリック
2024年1月15日以降、順次 CAS 管理コンソールで以下のような青色のバナーが表示されます(バナーは一例です)。
「Trend Vision One is a powerful threat operations center that includes XDR, risk insights, and more, all designed to deliver confidence and efficiency to security operations staff.」バナーが表示されている場合、「More Details」というボタンをクリックします。
「More Details」というボタンをクリック後、「Activate Your Trend Vision One License」画面で「Activate Now」ボタンをクリックします。
CASとVision Oneを接続されていないお客様は、「Vision One管理コンソールからのV1ECSへのアップデート手順」をご参照ください。
この後の手順はVision Oneプラットフォームがアップデート済みであるか否かによって異なります。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われていない場合は、1.2の手順をご参照ください。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われている場合は、1.3の手順をご参照ください。
1.2.(Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われていない場合)「Trend Vision Oneのアップデート」をクリックしてVision Oneプラットフォームのアップデートを実施
Vision Oneプラットフォームのアップデート手順については、こちらの製品Q&Aの手順3~10をご参照ください。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが完了した後の手順は「Vision One管理コンソールからのV1ECSへのアップデート手順」の2.7.以降の手順と同様となりますので、そちらをご参照ください。
1.3.(Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われている場合)「Cloud Email and Collaboration Protectionへのアップデート」をクリック
「Cloud Email and Collaboration Protectionへのアップデート」をクリックした後の手順は「Vision One管理コンソールからのV1ECSへのアップデート手順」の2.9.以降の手順と同様となりますので、そちらをご参照ください。
2.Vision One管理コンソールからのV1ECSへのアップデート手順
2.1.Cloud Email and Collaboration Protectionへアクセス
Vision One管理コンソールにサインインし、[Email and Collaboration Security Operations] > [Cloud Email and Collaboration] の順にクリックします。
2.2.「Trend Micro Cloud App Securityの接続」をクリック
2.3.「製品」に「Trend Micro Cloud App Security」と表示されていることを確認し、「保存」をクリック
2.4.Service Management - Product Connectorの「Cloud App Security」の接続ステータスが「接続済み」となることを確認
2.3の手順実施後に Service Management - Product Connectorの画面に遷移し、「Cloud App Security」の接続ステータスが「準備中または登録保留中」と表示されます。
しばらく(1~2分程度)待った後に画面を更新し、接続ステータスが「接続済み YYYY-MM-DD hh:mm:ss」となることを確認します。
2.5.Cloud Email and Collaboration Protectionへアクセス
[Email and Collaboration Security Operations] > [Cloud Email and Collaboration Protection] の順にクリックします。
2.6.「Trend Vision Oneのアップデート」をクリックしてVision Oneプラットフォームのアップデートを実施
Vision Oneプラットフォームのアップデート手順については、こちらの製品Q&Aの手順3~10をご参照ください。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが完了したら、次(2.7)の手順に進みます。
2.7.Cloud Email and Collaboration Protectionへアクセス
[Email and Collaboration Security Operations] > [Cloud Email and Collaboration Protection] > 配下のメニュー(どれでも可)の順にクリックします。
2.8.「Cloud Email and Collaboration Protectionへのアップデート」をクリック
2.9.チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートに同意する」をクリック
使用許諾契約書、プライバシーポリシー、データ収集についての内容を確認し、チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートに同意する」をクリックします。
2.10.チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートを開始」をクリック
V1ECSへのアップデートに関する通知内容を確認し、チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートを開始」をクリックします。
「アップデートを開始」をクリックした後に、V1ECSへのアップデートをキャンセルすることやCASへの切り戻しを行うことはできませんので、ご注意ください。
2.11.Product Instanceの「Cloud Email and Collaboration Protection」の接続ステータスが「接続済み」となることを確認
※アップデートを開始後にProduct Instanceの画面に遷移し、「Cloud Email and Collaboration Protection」の接続ステータスが「アップデート」と表示されます。
しばらく(1~2分程度)待った後に、接続ステータスが「接続済み」となることを確認します。
以上で、CASからV1ECSへのアップデートは完了です。
Q1.ログやレポートの情報もV1ECSにアップデートされますか。
はい、各種ログやレポートもV1ECSにアップデートされます。
Q2.V1ECSへのアップデートに伴い、CASで設定しているポリシーの内容もアップデートされますか。
はい、V1ECS でも CAS で使用しているデータベースと同じものを使用するため、ご利用いただいているポリシー設定は引き続き V1ECS側でも使用できます。
Q3.CAS から V1ECSへのアップデート作業中に何らかのユーザ影響はありますか。
いいえ、V1ECSへのアップデート作業中のユーザ影響はございません。
Q4.V1ECSアップデート機能の実行によってエラーが発生いたしましたが、エラーの意味と対処方法がわかりません。
表示されたエラーの画面キャプチャを取得いただき、サポート窓口までお問い合わせください。その際は、Trend Vision One コンソールの[Administration] > [License Information]に記載の”ビジネスID:"もお知らせください。ビジネスIDの確認方法はこちらをご参照ください。