概要
V1ECSは、トレンドマイクロのセキュリティソリューション「Trend Vision One」(以下、Vision One)の一機能であるメールソリューションサービスです。
V1ECSでは、TMEmSの各種設定を「Cloud Email and Gateway Protection」にアップデートする機能を提供いたします。
これにより、TMEmSをご利用のお客様はV1ECSの「Cloud Email and Gateway Protection」へのアップデートが可能となり、アップデート時点でのTMEmSのライセンス有効期限まで無償でV1ECSをご利用いただけます。
なお、これ以降、特記事項がない限り、本記事内におけるV1ECSは「Cloud Email and Gateway Protection」を指すものとします。
アップデート機能をご利用いただけるお客様に関する留意事項
TMEmSのライセンスをトレンドマイクロよりTrend Micro SaaS Subscription License(TSSL)またはTrend Micro 運用受託ライセンス(以下、TMOL)にて購入いただいているお客様向けの機能となります。弊社販売SaaSパートナー様経由等で、Trend Micro マネージド事業者ライセンス(MSPL)でご購入いただいている場合は、恐れ入りますがご利用いただくことはできません。
「同一のCustomer License Portal(以下、CLP)アカウント上に、Vision OneとTMEmSが登録されているお客様」および「Vision Oneをご利用いただいている、かつ、Vision OneのProduct Instance(もしくは Product Connector)にてTMEmSを接続されているお客様」向けの機能となります。
TMEmSのみをご利用いただいている(Vision Oneは利用されていない)場合は、恐れ入りますがご利用いただくことができません。
TMEmSのみをご利用いただいているお客様向けのアップデート機能は別途ご提供予定です。
■2024年2月15日追記
2024年2月22日のTMEmSメンテナンス作業実施後は、TMEmSのみをご利用いただいているお客様(JPリージョンにてご利用のお客様)向けにもアップデート用バナーが表示されるようになります。
V1ECSへのアップデート後は、アップデート元のTMEmSライセンスおよび機能利用状況に応じて、下記のCreditsが付与されます。
アップデート元のTMEmSライセンスおよび機能利用状況 | 付与Credits数 |
---|---|
TMEmS Advanced | 50 * シート数 |
TMEmS Standard ※メール暗号化機能を有効化している場合 |
50 * シート数 |
TMEmS Standard ※メール暗号化機能を有効化していない場合 |
25 * シート数 |
アップデートの詳細は後述の内容をご確認ください。
TMEmSからV1ECSへのアップデート作業を実施いただく前に、以下の注意事項を必ずご確認ください。
- アップデート作業を実施し、V1ECSへのアップデートが完了した後は、TMEmSの管理コンソールにログインすることはできません(アップデート作業の切り戻しを実施することはできません)。
- [管理] > [その他の設定] > [ログオンのアクセス制御] > [アクセス制御の設定] 内の「管理コンソール」の設定は移行されません。
V1ECSでは、コンソールアクセスの制御はVision One管理コンソールの [ADMINISTRATION] > [Console Settings] から設定いただく形となります。
本設定はVision One管理コンソール全体に対して適用されるものであるため、V1ECS関連機能に関する画面へのアクセスのみを個別に制御することはできなくなります。 - TMEmS管理コンソールに作成されている管理者アカウントは、TMEmSからV1ECSへのアップデート作業が完了した後に各アカウント単位でVision Oneのユーザアカウントへの移行作業を実施いただく必要があります(一括移行することはできません)。
また、Vision Oneのユーザアカウントへの移行後は、Vision One管理コンソールへのサインインにアカウント名ではなくメールアドレスを使用する必要があります。 - 以下のいずれかに該当する場合、アップデート機能は利用できません。
- アップデート元のTMEmSがTrend Micro Remote Managerで管理されている場合
- アップデート元のTMEmSのライセンス有効期限が切れてから30日以上経過している場合
- V1ECSアップデート後は、画面テーマ(ダークモードとライトモード)を切り替えることはできません。
V1ECSはVision Oneの一機能となるため、ダークモードのみとなります。 - V1ECSへのアップデートを行う過程で、Vision Oneプラットフォームのアップデートが必要になります。
Vision Oneプラットフォームのアップデートを実施すると、それまで使用していたCLPアカウント名をVision One管理コンソールへのサインインに使用することはできなくなります。
TMEmSからV1ECSへのアップデートには、「TMEmS管理コンソールに表示されるバナーからのアップデート」と「Vision One管理コンソールからのアップデート」の2つの方法があります。
ここでは、それぞれの手順を説明します。
その後、TMEmS管理者アカウントをVision Oneのユーザアカウントに移行する手順を説明します。
- TMEmS管理コンソールに表示されるバナーからのV1ECSアップデート手順
- Vision One管理コンソールからのV1ECSアップデート手順
- TMEmS管理者アカウントのVision Oneユーザアカウントへの移行手順
1.TMEmS管理コンソールに表示されるバナーからのアップデート手順
1.1.TMEmS管理コンソール上のバナーをクリック
TMEmS管理コンソール上部に表示される青色のバナー内のボタンをクリックします。
ボタンをクリックすると、Vision Oneの画面に遷移します。
これ以降の手順は、お客様の環境が以下のどのパターンに該当するかによって異なります。
- Vision Oneをご利用いただいている、かつ、Vision OneのProduct Instance(もしくは Product Connector)にてTMEmSを接続されている(以下、パターン1)
- TMEmSとVision Oneをご利用いただいているが、Vision OneとTMEmSを接続されていない(以下、パターン2)
- TMEmSのみをご利用いただいている(Vision Oneをご利用いただいていない)(以下、パターン3)
(※)パターン2とパターン3に該当するお客様のTMEmS管理コンソールにバナーが表示されるようになるのは、2024年2月22日のTMEmSメンテナンス作業以降となります。
- パターン1に該当するお客様で、Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われていない場合は「1.2」の手順をご参照ください。
- パターン1に該当するお客様で、Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われている場合は「1.3」の手順をご参照ください。
- パターン2に該当するお客様は「2.2」以降の手順をご参照ください。
- パターン3に該当するお客様は「1.4」以降の手順をご参照ください。
1.2.【パターン1】(Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われていない場合)「Trend Vision Oneのアップデート」をクリックしてVision Oneプラットフォームのアップデートを実施
Vision Oneプラットフォームのアップデート手順については、こちらの製品Q&Aの手順3~10をご参照ください。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが完了した後の手順は「Vision One管理コンソールからのV1ECSアップデート手順」の2.7.以降の手順と同様となりますので、そちらをご参照ください。
1.3.【パターン1】(Vision Oneプラットフォームのアップデートが行われている場合)「Cloud Email Gateway Protectionへのアップデート」をクリック
「Cloud Email Gateway Protectionへのアップデート」をクリックした後の手順は「Vision One管理コンソールからのV1ECSアップデート手順」の2.9.以降の手順と同様となりますので、そちらをご参照ください。
1.4.【パターン3】プルダウンリストから「他のSaaSサービス」を選択し、チェックボックスにチェックを入れて、「続行」をクリック
1.5.【パターン3】TMEmSが登録されているCLPアカウントを入力して、「続行」をクリック
1.6.【パターン3】パスワードを入力して、「サインイン」をクリック
1.7.【パターン3】リージョンに「Japan」を選択し、「Provision Console」をクリック
プロビジョニングが完了し、Vision One管理コンソールが表示された後の手順は「Vision One管理コンソールからのV1ECSアップデート手順」の2.1.以降の手順と同様となりますので、そちらをご参照ください。
2.Vision One管理コンソールからのアップデート手順
2.1.Cloud Email Gateway Protectionへアクセス
Vision One管理コンソールにサインインし、[EMAIL SECURITY OPERATIONS] > [Cloud Email Gateway Protection] の順にクリックします。
2.2.「Trend Micro Email Securityを接続」をクリック
2.3.「製品」に「Trend Micro Email Secuirty」と表示されていることを確認し、「保存」をクリック
2.4.Product Connectorの「Trend Micro Email Secuirty」の接続ステータスが「接続済み」となることを確認
2.3の手順実施後にProduct Connectorの画面に遷移し、「Trend Micro Email Secuirty」の接続ステータスが「準備中または登録保留中」と表示されます。
しばらく(1~2分程度)待った後に画面を更新し、接続ステータスが「接続済み YYYY-MM-DD hh:mm:ss」となることを確認します。
2.5.Cloud Email Gateway Protectionへアクセス
[EMAIL SECURITY OPERATIONS] > [Cloud Email Gateway Protection] の順にクリックします。
2.6.「Trend Vision Oneをアップデート」をクリックしてVision Oneプラットフォームのアップデートを実施
Vision Oneプラットフォームのアップデート手順については、こちらの製品Q&Aの手順3~10をご参照ください。
Vision Oneプラットフォームのアップデートが完了したら、次(2.7)の手順に進みます。
すでにアップデート済みの場合も、次(2.7)の手順に進みます。
2.7.Cloud Email Gateway Protectionへアクセス
[EMAIL SECURITY OPERATIONS] > [Cloud Email Gateway Protection] > 配下のメニュー(どれでも可)の順にクリックします。
2.8.「Cloud Email Gateway Protectionへのアップデート」をクリック
2.9.チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートに同意する」をクリック
使用許諾契約書、プライバシーポリシー、データ収集についての内容を確認し、チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートに同意する」をクリックします。
2.10.チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートを開始」をクリック
V1ECSへのアップデートに関する通知内容を確認し、チェックボックスにチェックを入れた上で「アップデートを開始」をクリックします。
「アップデートを開始」をクリックした後に、V1ECSへのアップデートをキャンセルすることやTMEmSへの切り戻しを行うことはできませんので、ご注意ください。
2.11.Product Instanceの「Cloud Email Gateway Protection」の接続ステータスが「接続済み」となることを確認
2.10の手順実施後にProduct Instanceの画面に遷移し、「Cloud Email Gateway Protection」の接続ステータスが「アップデート」と表示されます。
しばらく(1~2分程度)待った後に、接続ステータスが「接続済み」となることを確認します。
以上で、TMEmSからV1ECSへのアップデートは完了です。
続いて、TMEmS管理コンソールにて作成されていた管理者アカウントをVision Oneのユーザアカウントに移行する手順を説明します。
3.TMEmS管理者アカウントのVision Oneユーザアカウントへの移行手順
3.1.移行対象の管理者アカウントでTMEmS管理コンソールにサインイン
TMEmS管理コンソールのサインイン画面より、移行対象の管理者アカウントのアカウント名およびパスワードを入力して、「Sign In」をクリックします。
3.2.「Continue」をクリック
3.3.Vision One管理コンソールへのサインインに利用するメールアドレスを入力後、「メールを確認」をクリック
3.4.入力したメールアドレスで受信した確認コードを入力し、「送信」をクリック
3.5.サインイン時に使用するパスワードを入力し、「パスワードをリセット」をクリック
3.6.「閉じる」をクリック
3.7.パスワードを入力し、「続行」をクリック
正常にVision One管理コンソールにサインインすることを確認できたら、TMEmS管理者アカウントのVision Oneユーザアカウントへの移行は完了です。
移行対象の管理者アカウントが複数存在する場合は、移行対象アカウントごとに本手順を実施してください。
Q1.アップデートを行うことによって、設定だけでなく、ログやレポート、隔離メールもV1ECSに移行されますか。
はい、各種ログやレポート、隔離メールもV1ECSに移行されます。
Q2.V1ECSへのアップデートに伴い、MXレコードやTXTレコード、ファイアウォールの許可設定の修正は必要ですか。
いいえ、MXレコードやTXTレコード、ファイアウォールの許可設定の修正を行っていただく必要はございません。
Q3.V1ECSへのアップデート作業中にTMEmSにて送受信されるメールの配送処理や検索処理には影響がありますか。
いいえ、V1ECSへのアップデート作業中にTMEmSにて送受信されるメールの配送が遅延する、もしくは検索処理が行えないといった機能影響はございません。
Q4.V1ECSアップデート機能の実行によってエラーが発生いたしましたが、エラーの意味と対処方法がわかりません。
表示されたエラーの画面キャプチャを取得いただき、サポート窓口までお問い合わせください。その際に、Trend Vision Oneコンソールの[Administration] > [License Information]に記載の”ビジネス名:”と"ビジネスID:"もお知らせください。