はじめに
ビジネスセキュリティを導入/運用していく中で、「インストール中にエラーが発生する」「正常にアップデート出来ない」「○○をするとエラーが発生する」 などお客様の状況によって様々な問題が発生することがあります。
そういった状況で、可能な限り早く「現象を回避する」「原因を追究する」事が求められますが、その為には発生している現象を正確に把握し、問題の発生箇所や要因を絞り込んでいく必要があります。サポートセンターにお問い合わせをしていただき、まず始めに行うのがこの作業となる「切り分け」の作業です。
現象を切り分ける為の情報を事前に確認しておく事で、サポートセンターとやり取りをする回数や日数の短縮を期待できますし、またそれらの作業の過程で原因が判明する可能性もあります。
そこで、問題が発生した場合は必要に応じて以下の内容から確認をお願いします。問題が解決しない場合は、これらの確認した情報や何か気づかれた点などを添えてサポートセンターまでお問い合わせください。
確認していただきたい項目
- 1どういう現象が発生しているのか
- 2どのタイミングで発生しているのか
- 3いつから発生しているのか。正常に動作していた時期はあるのか
- 4正常に動作しているコンピュータはあるのか
- 5ある場合は、現象が発生しているコンピュータとの違いは?
- 6現象の再現性はあるか
1 どういう現象が発生しているのか?
[ポイント]
まずどういった現象が発生しているのかを把握します。
エラーメッセージなどが表示される場合は、エラーメッセージの内容を最初から最後まで正確に控えてください(エラー番号などもあればメモもしくはスクリーンショットを取得してください。うまくスクリーンショットが取得できない場合は、メッセージがわかるようなデジタルカメラなどの画像でもかまいません。)
[現象の説明例]
- クライアントのインストール中に、○○○のエラーメッセージが発生する
- 特定のクライアントだけに○○の設定が反映されない
- ○○の操作をすると××のメッセージが表示される
- OSの起動にいつもより時間がかかる。それ以外の動作は特に問題ないようだ
- ビジネスセキュリティクライアントの常駐アイコンを右クリックしてアップデートすると、○○のエラーが発生して、アップデートに失敗する。しかし、他のアップデート方法を試すと成功する
2 どのタイミングで発生しているのか?
[ポイント]
何かの操作中にエラーメッセージが表示されるのであればどの操作のタイミングで現象が発生するのかを把握することが重要です。そのタイミングによって、どこの段階で問題が発生しているのかを見当をつける事が可能なケースもあります。
[タイミングの説明例]
- インストールの操作中に○○の操作をした時に発生する
- 管理コンソールを操作している時に、○○のボタンを押した直後に発生する
- OSを終了するタイミングで発生する
- あるアプリケーションを起動すると発生する
- ランダムなタイミングで発生している
- 再現回数が少なく、気づいたら発生している
3 いつから発生しているのか。正常に動作していた時期はあるのか?
[ポイント]
その現象が発生しだした時期を把握することも重要です。ある特定の時期から発生しているのであれば、その時期に何があったのか、何を行ったかを調べることで、原因の可能性を絞ることが可能です。
[発生時期の説明例]
- コンピュータに○○のアプリケーションを導入してから発生しだした
- 1週間前くらいから発生しだしたが、1週間前に何があったのかはよくわからない
- Windows Updateを行ってから発生しだした
- 1年前の導入当初は正常だったが、今は同じ操作をするとエラーが発生する
- 検索エンジンをアップデートしてから発生しだした
- ビジネスセキュリティを導入した当初からずっと発生している。一度も正常に動作したことはない
- 気づいたら現象が発生していた。いつから発生しているのか見当がつかない
- OSやアプリケーションの設定を変更してから発生しだした
4 正常に動作しているコンピュータはあるのか
[ポイント]
ビジネスセキュリティはサーバ/クライアント型のアプリケーションです。何か問題が発生した場合は、サーバ側かクライアント側か、あるいはその間のネットワーク環境など、様々な場所に原因の可能性を考えることができます。
例えば、サーバ側に問題がある場合は、その配下の全てのコンピュータで問題が発生する可能性が高まります。一方、正常に動作しているクライアントコンピュータが存在しているのであれば、サーバ側は正常であり、問題発生しているクライアントコンピュータ側やその周りのネットワーク環境に原因がある可能性が高まります。
[発生台数の説明例]
- OSを問わず全台のコンピュータで発生する。正常に動作するコンピュータは無い
- 全体の3割のコンピュータで発生している。残りの7割では正常に動作している
- 1台のコンピュータでのみ現象が発生している。他のコンピュータは全て正常だ
- サーバから管理コンソールを開けないが、クライアントからの操作では正常に開ける
5 正常に動作しているコンピュータと現象の発生したコンピュータとの違いは?
[ポイント]
正常に動作しているコンピュータの有無の確認と併せて、それらのコンピュータの間にどのような違いがあるか、問題が発生しているコンピュータ同士ではどういった共通項があるのかを調べる事も重要です。
[違いの説明例]
- Windows 7のコンピュータは正常だが、Windows 10のコンピュータのみ現象が発生している
- OSを問わず、確認する限り全てのコンピュータで発生している
- 特定のネットワークセグメントにあるコンピュータでのみ発生している
- ○○のアプリケーションをインストールしているコンピュータでのみ発生している
- WAN環境でサーバにアクセスしているコンピュータでのみ発生している
- ビジネスセキュリティサーバと同じネットワークにあるコンピュータのみ正常だ
- 特定の部署で使用しているビジネスセキュリティクライアントのみで発生している
6 現象の再現性はあるか
[ポイント]
その現象が継続的に発生しているのか、1回しか発生していないか、など現象の再現性を調べることも重要です。根本的に何か問題を抱えているのか、ある特定の時期でのみ発生していたのか、などを把握することによって、原因の可能性や調査の方向性を探る事が可能です。
[例]
- 昨日初めて現象が発生したが、今日同じ操作をしても再現しない
- 昨日現象が発生した。3ヶ月前にも同じ現象が発生した
- コンピュータを再起動する度に現象が再現する
- 現象は再現するが、同じ操作をしても発生する時としない時があるので、規則性を見い出せない
- 過去に一度だけ現象発生したが、その後は発生していない